星に帰れよを読みました
現役高校生作者による中編?小説で、文藝賞優秀作だそう。
内容は現代的で高校生男女3人しか話には現れず、その中の人間模様を描写するような感じ。
比喩が良かった。また、登場人物の心模様には私も心当たりある所が多くあり、一気に読めた。さしたる展開は無いように感じたが、心の動きだとか考えを読んでるだけで楽しめた。価値観で済ますなや! という主張は全く同感した。
人間を肉だとか皮だとかやたらと表現する箇所は少し気になったが、ある一人物の荒みやニヒリズムの表れであるなら理解できる。大仰な言葉なのでドキリとする。たしかに喋る肉と言われたらその通りだし、なら次は喋る鉄の時代かななんて思ったり。
美魔女の妖しさには惹きつけられるし、違う星に住む信念を持った賢そうな女の子がその美魔女に揺さぶられるシーンもワクワクした。チャラそうな男に対する認識の変化も理解できた。
悪点と美点が各々に垣間見えて完全性の無い人物造形がリアルだなと感じた。物凄く極に走った感じもせず、サラッとしてると感じた。
総じて良かった。現代的なエッセンスにも慣れてかないとなあ。