sappalenia’s blog

無責任な戯言です

シュタゲ8〜17話視聴

 13話辺りのまゆしい死亡回避のシーンが印象的だった。主人公がまゆしいの死亡回避に向けて何度もタイムリープしたことが明かされるが、それがダイジェスト的なつまり描写ではなく説明的なシーンで伝えられたところには少し不満足な思いを抱いた。大切な人がどうしても助けられないという状況への憔悴や疲弊が私が思っているより重く感じられなかった。それは先程のある意味流すようなシーンであったり、主人公の顔面の表情であったり、仕草であったり、必死に奮闘していることは分かったが感情的な側面においては確かに表現されているものの、私には淡々とした印象に感じられた。

(感情が伝わる表現はあるが湿っぽくはないし、展開が遅くなることもない。つまり、主人公のおかれる状況、感情に関わらず展開は一定の速度で進んでいく、といった具合だろうか)そこで思うのだが、展開は主人公の停滞する感情に合わせて遅くすると、よりこちらとしては共感を覚えるのかもしれない。(ただし、エンタメ的にはつまらないし、苦しい心境がダイレクトに伝わってくるので重々しさは増しそう)しかし、そういった重苦しい時期を越えた時、記憶に残るのはそちら側なのだろうなと思った。結局、私はこの一連のまゆしい死亡回避描写をエンタメ的に観たし、一定の距離感を保って観た。(感情移入半面、観覧半面という、レベル)

 私的には、感情移入するものは記憶に残りやすいので好きなアニメだと思う。エンタメ的に面白いものはその瞬間は熱狂するが後にすぐ冷める。そこで心理的リアリティの描写であったり、心理的な演出が巧みだと私はそれを面白いと思う。今回、もっと主人公の苦しみを私が感じられたら更に面白かっただろうなと思った。(キャラに寄り添うよりもストーリーを楽しく観てしまった)あえて疑問を呈するとすれば、主人公は何度もタイムリープをしたと映像から分かるが、その中で一度もシャイニングフィンガーに捕まらなかったり、妨害されなかったりというのは無いものかなと。そこの説明は欲しいと感じだが、展開がそうなっているので何故かは分からないが毎回主人公はあのヘッドホンを装着することや42インチTVの電源を入れることに成功しているらしい。その辺の描写を毎回入れるのは阿呆らしいので省略するのは頷けるが、しかしちょっと信じ難い状況でもある。シャイニングフィンガーをうまく出し抜く描写が一回でもあればこんな疑問は抱かなかっただろうなと思う。

 SF的設定が巧みに使われていてとても面白いアニメだと思います。しかし、状況の割にあまり鬱々としておらずサッパリとした印象を受けるのが意外でした。心理ドラマよりもサスペンスとしての面白さが勝っている感じがします。謎が明かされる瞬間や次の展開の予測、主人公の問題解決過程を楽しんでいくのが本筋かなと思いました。

 どのように世界線を飛び越えるのか、この先が楽しみです。

(あと鈴羽まわりの話はドラマチックでSF設定による哀愁の雰囲気が醸し出されていて特に良かったです)