何もしたくない時に限って、どうも頭の中が言葉の明滅でごちゃごちゃになり、何とも嫌な部屋の中ということはままあったが、現在は、言葉すらも失われてぼんやりと眼前の光景を無感動に眺める日々が続く。私はひどく虚しい人間だったらしい。早めにそれを知…
曇りの日は、何とも後ろ暗い心地がする。私の上を跨ぐ空が暗いのでは、それも道理。この季節の曇りは涼しくてよいが春特有の冷えた風は不安の心を逆撫でて行く。 寒い中で、やけに青々としてくる木々や花の葉が湿りのある空気に揺れるとき、春の不安だけは…
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