sappalenia’s blog

無責任な戯言です

シュタゲ視聴してます

 シュタゲをアマプラで観始めたので感想を書いていく。以下、現在4話まで観ての感想。

 画面の色彩設計が彩度低めの落ち着いた構成で、灰色のイメージが残った。更に夏の蝉の鳴く声が印象的で、長く続く人生の中のある一コマとしての印象を与えている感じがした。そんな暑い日差しが降り注ぐだがしかしコントラストは弱めの陰影が漂う都会で、ボロアパートに若者が集まっている。そこは未来ガジェット研究所、マッドサイエンティストの主人公とスーパーハッカー、コスプレ少女という個性豊かなメンバーが居る。この地味目な色彩設計の中にアクの強いメンバーが活動しているという対比が面白い。1話から既に物語は動き出しており、主人公の認識と周囲の人間の認識がずれる出来事が起こる。4人目のメンバーたるクリスティーナとの出会いと死別が既に1話で完結していたはずが、クリスティーナが生きており主人公と再び対面するということが起こった。もう既に異変は始まっている事が1話から分かり、これからこの異変は大きくなっていくことを期待させる。また主人公の物事に対するリアクションが特徴的で新鮮なので面白い。主人公はふざけているように見えるが根は真剣であり、自身に起こった異変に真摯に向き合っている。

 ガジェット研究所の日常が4話にわたって映されたが、彼らの会話はいわゆるアキバっぽい雰囲気でオタク感のある印象的なもので、前述したが落ち着いた色彩による静かな演出の中にこれが普通であるというばかりに自然にそれら特殊な会話を織り交ぜており、一種独特な雰囲気を作り出している。それは限定的な空間、人間関係という閉鎖性であり、ある種のセカイ系の印象を受けた。(街の中を人々が歩いている描写はあるのだが、どこか他人事、どこか味の無い感じがした)そしてこの閉鎖性の中で確かに物事は動き出しており、タイムマシンを開発したかもしれないこと、ネットの掲示板に現れるジョン・タイラーという核心的なにおいのする人物の発言、世界を陰で支配しているかもしれないCERN、重要なキーアイテムとされるIBM-5100というオーパーツ的なパソコン、そしてそれを探し求める謎の女など、あらゆるものが蠢いている。

 この閉鎖性の中での物事の蠢きというものの面白さを私はとても感じたが、それはなぜだろう。それはこれから起こる物事の主役は彼らラボメンであることが強調されるからではないだろうか。灰色の街、現実味を感じない街の人々、周りのものには潤いを感じにくく誰かが自身を助けてくれる気はしない。だからこそこの物語は彼らの物語だし、彼らだけに関わりのある物語だし、そこに鬼気迫る雰囲気、溢れる情動、緊迫する気持ちを高め、それを私に追体験させてくれるだろうと期待できる。

 以上より、私はここ4話までとても楽しく視聴しました。今後にとても期待します。ネットでは序盤はつまらないとの声もありましたが、それも一定の理解ができます。あのオタク的なノリは人を選ぶし、話の展開もまだ下積み期間のような浮沈の無さであるから、暇と言えば暇になるだろうなと思います。

 しかし、WHITE FOXの作画は綺麗でヨルムンガンドを観る時もそう思うし、やはり絵の綺麗な会社だなと更に確信が強まりました。OPの映像は綺麗で曲も印象的で素晴らしく、EDも同様でした。

 丁寧に作られており、かなり好きなアニメです。

(あとシャイニングスターダストシェイクハンドがとても好き)